考え、行動する日々

何事にもとらわれず、広く、自由に。

ニセ問題に気をつけろ

ラジオで何気なく聞いていた話。

 

目の前で家事が起こっていて、一つの部屋には子供が、もう一つの部屋にはピカソの絵がある。その時、あなたはどちらの部屋へ先に行きますかという問い。ほとんどの方が子どもを先に助けるでしょう。命より尊いものはないです。しかしながら、ピカソの絵を売れば10億円ほど。このお金分の蚊帳を買えば、マラリアの感染を予防できて、ものすごい人数の命を救うことができる。ピカソの絵を選ぶことも命を、しかもより多くの命を救えます。さあどちらが正しいでしょうか。

 

こんなような話だった。

聴いていてもやもやして、すぐにこれって「ニセ問題」だなと私は気づいた。

 

ニセ問題とは、苫野一徳さんの『はじめての哲学的思考』という本で知った言葉だ。

簡単に言えば、どちらかが正しいかのように思わせる問いだけど、絶対に正しいことなんて滅多にないということ。

 

私だったら、目の前の子どもを助けるし、マラリア予防の蚊帳ならば、寄付型のクラウドファンディングでもやれば良い。

 

このニセ問題の意図を組んで、問いを立て直すとすれば、

「どうしたら目の前の問題だけでなく、遠くに住む人たちの問題を考え、解決に導くことが可能になるのだろうか。」

 

とかが、考えられる。

よっぽどこの方が建設的で意味のある問いだと思う。

 

苫野一徳さんによれば、ニセ問題は日常生活、政治の世界、学問の世界においてさえ、うんざりするほどあふれ返っているとのこと。気をつけたい。